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概 要
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タイトル
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キャパ その青春 (文春文庫)
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説明
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2004-03-12
文藝春秋
リチャード・ウィーラン
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カテゴリ
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和書
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株本カテゴリ
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満足度平均
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4.00 レビュー数:[ 1 ]人
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レビュー |
二十代後半にして戦場カメラマンとして頂点を極めたキャパだったが、じつのところ本人はそれほど自分の仕事に対して誇りを持っていたわけではなかった。
「カメラをカシャカシャやるのは大人の仕事でなないな」
パ-ティ-の席で冗談まじりにそんな台詞を呟くのが常であったが、まんざら嘘でもなかったようだ。
「僕が本当にしたいのは、小説を書くことか、ちゃんとした野心的な事業に関わりたいんだ」
当時つきあっていた恋人には、こう本音を漏らしている。
写真で稼いだ膨大な金はすべてギャンブルやその他の娯楽に散財してしまい、いつも借金で首の回らない生活だったという。
驚くのは彼が一台も自分のカメラを所有していなかったという事実である。
もちろん仕事で必要に迫られ、新聞社から借りたり、自費で買ったりしたらしいのだが、すぐに売ってしまったりしていたようだ。
カメラ好きなら考えられない行為に映るだろう。
そもそも写真そのものに興味があったかも疑わしいところがある。
現像はほとんど他人まかせで、晩年は仕事よりも酒と女に情熱を傾ける日々だったらしい。
ベトナム戦争の取材も、借金返済の為しぶしぶライフの仕事を請け負ったというのが真実のようで、ジャ-ナリスティクな使命感とは無縁の人だったようである。
結局、キャパは写真を撮るという行為よりも、人そのものが興味の対象だったのだろう。
イデオロギ-ではなく、快楽主義的に生きた人でもあった。
だからこそ、後世に残る優れた作品を残せたのだと思う。
キャパは文章も相当に巧かったらしい。
気に入った写真は自らがキャプションを書いていたという。
一度拝読したいものである。 |
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