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 タイトル  ソロス
 説明  2004-06-04
 ダイヤモンド社
 マイケル・T・カウフマン, 金子 宣子
 カテゴリ  和書
株本カテゴリ
小説(1) 投資家(1)
経営者(1) 経済(1)
 満足度平均  4.00  レビュー数:[ 1 ]人
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レビュー 彼の資産はおよそ1兆円以上あるといわれてますが、いったいどのようにして天文学的な資産を増やしていったのか、その生涯を「幼年期~投機化時代~慈善活動時代」の3構成に分けて詳しく解き明かしてます。

2007年のサムプライム危機では、ソロス・ファンド・マネージメントの損失は600億円だったらしいですが、それ以前の2006年には会社からのボーナスとして、約8億4000万ドル(日本円にして約949億円)受け取っていたらしく、ここ数年の金融危機でも最も損害の少ない投資家の一人といわれています。

読み進めていくうちに神秘のベールに包まれていたソロスの実像が鮮明になっていきます。

多くの金持ちは、財産が増えるにつれ、いろいろな贅沢ごとに手を伸ばすものですが、ソロスはそうしたものにはさっぱり興味が湧かなかったらしいですね。

カール・ポパーに憧れて哲学者を志していたことがあり、生活は質素そのもの。

そのあたりの金銭的なバランス感覚も成功した一因かもしれませんが、さらに驚くべきことにソロスは自分の儲けたお金を軽蔑していたということ。

後世に残るような哲学理論を打ち立てたい夢が捨てきれず、そうした密かな志を抱いていた彼の基準からみれば、金融界の成功など何ほどのものでもなかったということがわかります。

大金持ちになったはいいが、精神分析医へ長く通院したりして、内面はかなり病んでいたということを初めて知りました。

長期投資を基本スタイルとするバフェットと違って、それは投機というべきギャンブルにちかいものでしたが、節目節目で大勝負ができたのも、そういった心理的背景と無関係ではなかったように思います。

有名な英ポンド売りにしても、自身のファンドの全総額を上回る何百億という金額をリスクにさらして大勝ちしています。

この異常なまでの胆力、運を引き寄せる力がソロスの凄さだと思いました。

晩年、彼は慈善活動にも金融事業と同じようなエネルギーを注ぎ込むようになります。

本人は慈善活動など片手間仕事だと言い張り、ただの節税対策だとうそぶいてますが、その言葉とは裏腹に「死ぬまでに自分の財産すべてを慈善に使い果たそうと思っているのではないか」といわれるほど、多大な金額(500億ドル)を財団に注ぎ込んでいます。

そんなところも国際的に彼の名声を高めることになっているんでしょう。
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2009-08-18-02:18 ジョンメリ Amazonで見る  他のレビューを見る
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